9月12日
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大会初日。我々KARTは静的審査が午前中に2つあっため、朝6時15分のゲートオープンとともにピットの設営を開始。


▲ 雨の中ピットの設営を進める。


▲ 大会本部。さすがに立派なテントが並ぶ。

天候はあいにくの雨でときより強く振る中、うまく役割分担して効率よく朝8時の車検開始と同時に車検場に行くことができた。そして毎年第一の関門となる車検・・・


▲ 毎年ながら審査員の一言一言に緊張する車検の様子。

なんと今年は一発でクリア!!細かい指摘はいくつかあったものの、みなほっと胸を撫で下ろした瞬間だった。懸念された天候も次第に回復し、順調な大会の開始となった。

その後、9時45分からコスト審査の会場へ。決して十分な準備が出来たとは言えませんが、パネルを用いてコスト削減に対して工夫した点をアピール。審査員に対する印象も悪くなく、事前に出した300ページにも及ぶコストレポートも30点中25点を得ることが出来た。ただし、我々はアルミフレームやドライカーボン製のカウルといったベースが高価なため、それに割り当てられる点数が30点中ほぼ0点と全体としては苦戦し、結果27位となった。

次のデザイン審査までのわずかな時間を利用し、車検の次のステップであるチルト試験、騒音検査へと進んだ。ここでまず行うのは重量測定。残念ながら目標には程遠い255kg(ウェット・燃料満タン)とYJ-R03(昨年度車両)と同等の車重であった。同じエンジンを使用している昨年度の優勝校である上智大学は210kgと、やはりまだまだトップチームには及ばないことを思い知らされた。


▲ チルト試験ではドライバーが着座したまま60度まで車体が傾けられていく。

 チルトは45度傾斜させて液体系のもれがないこと、60度傾斜させてロールオーバーしないことが条件。また騒音はエンジン1万500回転(ピストンスピードによる規定なので回転数はエンジンによって異なる)で110dB以下。事前検査が難しい検査であり緊張しながら見守ったが、難なくスムーズにクリア!!

そして11時30分からは静的審査の最も重要な競技であるデザイン審査。車両コンセプトである「セルフクリエイト」-自らが創造する車-に沿って設計した各部品をパワートレイン・シャシー・フレーム・カウルに分かれて発表。精一杯アピールした者のデータ不足が否めず結果は13位、120/150点となった。

車検はノーポイントであるこの大会だが、如何に早く車検を通すことが後の動的競技の結果に重要であるかを十分認識していたため午後一番でブレーキテストへ。これは4輪ロックさせるだけの制動力をブレーキが有しているかをチェックする検査である。毎年何回か挑戦してやっと通過することのできる検査項目であったのだがなんと今年は一発でクリア!しかもそんなに加速もせずブレーキは十分マージンを残しての通過と、これまでの経験が生きていることの証明となった。


▲ 無事に車検を全てクリアし、フロントに車検通過を証明するFormulaJSAEのロゴシールが貼られる。

これで車検を全て無事クリア。なんと全大学61チーム中4番目の通過となった。3枚の車検合格シールをノーズに貼り、すぐにプラクティスへと向かう。プラクティスではまずは車両のチェック。ハンドリング、ブレーキ、エンジン、サスペンション等走行に不具合がないかを慎重に見ながらの走行を行った。その後は足回りのセッティングのためアンダー・オーバー等の特性、減衰の調整を行った。


▲ プラクティス走行中のYJ-R05。YAMAHAの方には「そんなに走って肝心の競技中に壊れるなよ!?」と言われました。

その後ドライバー4名が乗り、1日目のプラクティス会場の使用率が全大学中No.1というおまけ付き。万全の体制で翌日からの動的競技に備えた。

一方の静的審査は5時からプレゼンテーション審査がスタート。「自分たちの車両を製造会社のコンセプトカー、審査員をその会社の役員だと仮定し、販売戦略等のアピールをする」というもの。毎年準備が大会にきてから、というダメな伝統を踏襲し、今年も会場入りしてから徹夜でプレゼンを練習し、説得するだけのデータが少ないという当然の指摘を受けながらも結果は8位と健闘した。