9月9日(大会1日目)
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 再車検を何としても静的審査の前に終わらせたいと考えていたので、早朝より宿を発ち、ゲートの最前列に並びました。ゲートオープンと同時に入場し、すぐに車両準備を終え、車検場にも早々に並ぶことができました。前日の準備の甲斐もあり再車検は無事にクリアすることができました。心配していた第一の関門を突破し、メンバー一同ほっと一安心することができた瞬間でした。


▲ 1枚目の車検シールを貼ることができた

 これより、静的審査(コスト、デザイン、プレゼンテーション)及び残りの車検項目(重量測定、チルト、騒音、ブレーキ試験)を順次行っていきました。

 まずコスト審査ですが、事前に偵察した他大学の審査の様子から、昨年度から大幅な形式変更があることが確認され、メンバーに動揺が残る中で臨むこととなりました。やはり準備段階で予想し得なかった発表形式に戸惑う場面も多く、満足のいかない結果となってしまいました。また、コストレポートに関してもデータの不備や統一性の無さ等の指摘があり、手応えは芳しくないものとなりました。

 続くデザイン審査では、車両の設計に関して各班ごとにアピールし、その設計の妥当性を審査員の方々に評価されます。各班の担当者が順調に発表していくものの、審査員に車両のコンセプトに関して一貫性がないと指摘されたことは、車両製作に関しても静的審査対策に関しても今後の課題となるものでした。

 一方、残る車検項目にも進みました。重量測定では230 kgという結果が得られました。レギュレーションの変更によりフレーム重量が増し、更にドライサンプ化に伴う重量増がありながら、前年度比5 kg増に留めることができたのは嬉しい限りです。

 続いてチルト検査に進みました。車両を45度傾けて燃料や液体の漏れの有無、そして60度傾けて車両が転覆しないかどうかを見ます。この検査は問題なく通過することができました。次の騒音検査にも問題なく通過し、残すはブレーキ試験です。これは定められた距離内での加速の後に急制動し、その際に4輪が全てロックすることを確認する試験ですが、これも一発合格を果たすことができました。

 以上で全ての車検に合格し、動的競技に参加する資格を得たことになります。これまで比較的順調に車検を通過することができたものの、この先始まる動的競技のことを思うと一層気が引き締まる気持ちでした。これよりプラクティス走行を開始し、今まで走り込むことのできていない車両を急ピッチでセッティングしていきました。


▲ いよいよ燃料が入る

 しかしながら燃料調整がどうしてもうまくいかず、ドライバーにとっては不安を残しながらもこの日のプラクティス走行の終了時刻を迎えることとなりました。

 プラクティス会場での走行と並行して静的審査の最終競技であるプレゼンテーション審査が行われました。これは我々の車輌をメーカーの役員を対象としてプレゼンテーションし売り込む、という仮想シチュエーションのもとで行われます。シチュエーションに関してはある程度自由に設定できるので、ここでは純粋にプレゼンテーション能力が評価されます。我々のチームからの発表者は3年目ということもあり、プレゼンテーション自体は丁寧にこなすことができましたが、技術的な質問に詰まることがあり、悔しい思いをしました。車両製作にメインで関わっていないことから、このことは十分想定できる事態ではあったのですが、準備不足を否定できない結果となってしまいました。

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