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INTERVIEW

 余田拓矢インタビュー



 今回は3回生の余田拓矢さんです。インタビューするのは森寛樹です。

森寛樹:KARTに入ったきっかけとか理由を教えてください
余田拓矢:ん~なんでだろう。1回生から入っていたメンバーの中では一番入ったのが遅いんだよね。ゴールデンウィークあけてから入った変なやつです。はじめはただ工場に来て何もせず見て帰るだけだったよ。
:きっかけは?
余田:(高橋)忠将につれてきてもらったんだよ。自然現象と数学の授業のあとだったなぁ。
:んじゃそのときにKARTの存在を知ったんですか?
余田:いや、あることは知ってたよ。
:じゃあもともと車好きだったとか?
余田:いや、そうでもない。車のこと全然知らなかったし。
:じゃああ機械好きとか?
余田:の~なんだろう。そうでもないかなぁ・・・。何かいじるのが好き・・・そうでもないなぁ。一般の人よりはそうかなってぐらい。でもものを分解して組み立てたりするような趣味は持ってない。
:じゃあ趣味は?
余田:とくにないかなぁ。
:ミリオタという話を聞きますが。
余田:別にミリオタってわけじゃないんやけどね。レシプロの飛行機が好きでね。エアレース見に行きたいなぁ…。
------(周囲の人間と趣味の話に花開く)------


:ところで担当パーツは?
余田:ウォーターラインとオイルライン。
:つまりエンジンの血管?
余田:血管は燃料系でしょ。ウォーターラインは冷却だから・・・汗、毛穴だよ。オイルラインは何かなぁ・・・う~ん、軟骨かな。
:なるほど。それらって純正じゃだめなんですか?
余田:純正が使えたら手間かからないし、それがいいんだけどね。純正のはバイクのやつだから、ラジエーターの配置と使う回転数が違うわけね。発熱量も空気の流れの面でも変わってくるでしょ。だから作らなくちゃいけないんだよ。オイルラインはドライサンプの話は聞いてるでしょ?
:はい。難しそうですね。去年は失敗したとか。ポンプでオイルを必要なところへ吹き付けるから油切れしないとは聞いてます。
余田:去年の段階で、一見ほとんど完成してるように見えるんだけど…実際やってみるとなかなか大変だよ。あとドライサンプはポンプで吹き付けるってイメージではないよ。一般車なウェットサンプは勝手にオイルが落ちてくるのを回収するんだけど、この回収が追いつかなくなると、オイルタンクのオイルが減ってオイルを供給するポンプに空気が入るんよ。これが「空気をかむ」といわれる状態ね。こうなるとエンジンが焼けたりする。要はオイルタンクに常に一定のオイルが入っている状態にすればいい。ドライサンプはポンプを使って強制的にオイルをオイルタンクに戻してやることで、常にオイルを供給できるようにしたもの。
:詳しい説明ありがとうございます。今年の出来具合は?
余田:いま15%ぐらい完成してるかな~ってぐらい。成功するかどうかは5分5分かな。
:インタビューは以上です。ありがとうございました。

 マイペースなやさし~い雰囲気のお方です。インタビュー後にも詳しく説明してくれました。

 ただ今エンジンのドライサンプを開発中です。これはエンジンオイルを循環させる方法のひとつです。KARTで採用しているYAMAHA製YZF-R6のエンジンはバイクのエンジンです。バイクは車体が傾くため常にエンジンに対して下向きのGがかかります。一方4輪ではコーナーで横向きのGがかかります。純正のオイル循環系はこの横向きのGに対応してないです。実際過去にこれが原因でエンジンが焼けたことがあるとか。純正R6エンジンがオイルが重力で落ちてくるのを利用してオイルを回収するのに対して、ドライサンプはポンプでオイルを回収して必要なところへ吹き付ける方法です。安定したオイルの供給が可能になるとともに、オイルタンクの形状とレイアウトの自由度が高まり、低重心化に寄与することができるそうです。
 ドライサンプのためのパーツがフレームに干渉して取り付けられないトラブルが発生していたようですが、余田さんが、宣言どおりの期限で見事解決しました。
 マイペースなお方とは言いましたが、有言実行、やることはやる人です。片付けのことなどを進んで教えてくれるので、新入生としてはとても助かります。


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